1994年
恵比寿ガーデンプレイス(東京)
モニュメントの仕事は、種種の縁が結びついて、絶対的にその場所に、そのイメージを具現化しなければならない運命があると思う。サッポロビール目黒工場跡地開発計画が持ち上がり、完成を見るまでの間、最高のタイミングでプレゼンテーションして予算化し、場所を決めて作品を完成させる手法はいつも、たった一つの針の穴に通すような事である。この場所は、私が幼少の頃より育った遊び場であり、卒業した加計塚小学校の目前である。卒業生として地元に恩返しをしたいという思いで探った。 友人に相談したところ、設計担当者がよく飲みに来るバーがあると聞き、そのバーで待ち、紹介していただいた。後日、現場事務所を訪ね、設計者と施主のコンセプトを聞き、プレゼンをした。今回のテーマで重要な事は、作品を3点作って、集合のモニュメントにしてくださいという要望であった。3点でひとつという作品は、設計事務所、施工会社2社の計3社が恵比寿ガーデンプレイスに花を添えたいという主旨のモニュメント化であった。
完成して20年以上経た現在、地元恵比寿のシンボルとなり、不動の存在を地域社会に示している。私は毎週、実家に行くたびに、ここを通り、さわっていく。そんな自分が少し誇らしく思える。皆様のお陰で！
